造化三神の一柱。
古事記によれば、天地開闢の時、最初に天御中主神が現れ、その次に神皇産霊神(カミムスビノカミ)と共に高天原に出現したとされるのが高皇産霊神という神である。
天御中主神・神皇産霊神・高皇産霊神は、共に造化の三神とされ、いずれも性別のない神、かつ、人間界から姿を隠している「独神(ひとりがみ)」とされている。
この造化三神のうち、神皇産霊神・高皇産霊神は、その活動が皇室・朝廷に直接的に大いに関係していると考えられたため、神祇官八神として八神殿で祀られた。
タカミムスビは、日本書紀では、天地初発条一書第四に「又曰く〜」という形式で登場しているに過ぎない神であり、その他では巻十五の顕宗紀において阿閇臣事代が任那に派遣され壱岐及び対馬に立ち寄った際に名前が登場する程度ではある。しかし古事記では神武天皇の熊野から大和に侵攻する場面で夢に登場し、さらに天照大神より優位に立って天孫降臨を司令している伝も存在することから、この神が本来の皇祖神だとする説もある。また、延喜式祝詞・出雲国神賀詞には、「神王タカミムスビ」とされている。
神皇産霊神は出雲神話で、高皇産霊神は高天原神話で働くという。
天津国玉神の子である天稚彦(アメノワカヒコ)が、天孫降臨に先立って降ったが復命せず、問責の使者・雉(きぎし)の鳴女(なきめ)を射殺した。それが高皇産霊神の怒りに触れ、その矢を射返されて死んだという。
「産霊(むすひ)」は生産・生成を意味する言葉で、神皇産霊神とともに「創造」を神格化した神であり、女神的要素を持つ神皇産霊神と対になって男女の「むすび」を象徴する神であるとも考えられる。
【祀られている神社】(以下は祭神名として記載のある神社です。総称がある場合はそちらも参考にしてください)
東京大神宮
三峯神社
御霊神社
人見神社